セットアップ

Kubernetes v1.14 のドキュメントは積極的にメンテナンスされていません。現在表示されているバージョンはスナップショットです。最新のドキュメントはこちらです: 最新バージョン

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Minikubeを使用してローカル環境でKubernetesを動かす

Minikubeはローカル環境でKubernetesを簡単に実行するためのツールです。Kubernetesを試したり日々の開発への使用を検討するユーザー向けに、PC上のVM内でシングルノードのKubernetesクラスタを実行することができます。

Minikubeの機能

インストール

Minikubeのインストール を参照

クイックスタート

これはMinikubeの使い方の簡単なデモです。 もしVMドライバを変更したい場合は、適切な --vm-driver=xxx フラグを minikube start に設定してください。Minikubeは以下のドライバをサポートしています。

コンテナランタイムの代替

containerd

containerd をコンテナランタイムとして使用するには以下を実行してください:

minikube start \
    --network-plugin=cni \
    --enable-default-cni \
    --container-runtime=containerd \
    --bootstrapper=kubeadm

もしくは拡張バージョンを使用することもできます:

minikube start \
    --network-plugin=cni \
    --enable-default-cni \
    --extra-config=kubelet.container-runtime=remote \
    --extra-config=kubelet.container-runtime-endpoint=unix:///run/containerd/containerd.sock \
    --extra-config=kubelet.image-service-endpoint=unix:///run/containerd/containerd.sock \
    --bootstrapper=kubeadm

CRI-O

CRI-O をコンテナランタイムとして使用するには以下を実行してください:

minikube start \
    --network-plugin=cni \
    --enable-default-cni \
    --container-runtime=cri-o \
    --bootstrapper=kubeadm

もしくは拡張バージョンを使用することもできます:

minikube start \
    --network-plugin=cni \
    --enable-default-cni \
    --extra-config=kubelet.container-runtime=remote \
    --extra-config=kubelet.container-runtime-endpoint=/var/run/crio.sock \
    --extra-config=kubelet.image-service-endpoint=/var/run/crio.sock \
    --bootstrapper=kubeadm

rktコンテナエンジン

rkt をコンテナランタイムとして使用するには以下を実行してください:

minikube start \
    --network-plugin=cni \
    --enable-default-cni \
    --container-runtime=rkt

これはrktとDockerの両方を含んだ代替のMinikubeのISOイメージを使用し、CNIネットワークを有効にします。

ドライバープラグイン

サポートされているドライバとプラグインのインストールの詳細については DRIVERS を参照してください。

Dockerデーモンの再利用によるローカルイメージの使用

Kubernetesの単一のVMを使用する場合、Minikube組み込みのDockerデーモンの再利用がおすすめです。ホストマシン上にDockerレジストリを構築してイメージをプッシュする必要がなく、ローカルでの実験を加速させるMinikubeと同じDockerデーモンの中に構築することができます。ただDockerイメージに’latest’以外のタグを付け、そのタグを使用してイメージをプルしてください。イメージのバージョンを指定しなければ、Always のプルイメージポリシーにより :latest と仮定され、もしデフォルトのDockerレジストリ(通常はDockerHub)にどのバージョンのDockerイメージもまだ存在しない場合には、ErrImagePull になる恐れがあります。

Mac/LinuxのホストでDockerデーモンを操作できるようにするには、shell内で docker-env command を使います:

eval $(minikube docker-env)

これにより、MinikubeのVM内のDockerデーモンと通信しているホストのMac/LinuxマシンのコマンドラインでDockerを使用できるようになっているはずです。

docker ps

CentOS 7では、Dockerが以下のエラーを出力することがあります:

Could not read CA certificate "/etc/docker/ca.pem": open /etc/docker/ca.pem: no such file or directory

修正方法としては、/etc/sysconfig/docker を更新してMinikube環境の変更が確実に反映されるようにすることです:

< DOCKER_CERT_PATH=/etc/docker
---
> if [ -z "${DOCKER_CERT_PATH}" ]; then
>   DOCKER_CERT_PATH=/etc/docker
> fi

imagePullPolicy:Alwaysをオフにすることを忘れないでください: さもなければKubernetesはローカルに構築したイメージを使用しません。

クラスターの管理

クラスターの起動

minikube start コマンドはクラスターを起動することができます。 このコマンドはシングルノードのKubernetesクラスターを実行する仮想マシンを作成・設定します。 また、このクラスターと通信する kubectl のインストールも設定します。

もしWebプロキシーを通している場合、そのプロキシー情報を minikube start コマンドに渡す必要があります:

https_proxy=<my proxy> minikube start --docker-env http_proxy=<my proxy> --docker-env https_proxy=<my proxy> --docker-env no_proxy=192.168.99.0/24

残念なことに、ただ環境変数を設定するだけではうまく動作しません。

Minikubeは “minikube” コンテキストも作成し、そのコンテキストをデフォルト設定としてkubectlに設定します。 あとでコンテキストを切り戻すには、このコマンドを実行してください: kubectl config use-context minikube

Kubernetesバージョンの指定

minikube start コマンドに --kubernetes-version 文字列を追加することで、 MinikubeにKubernetesの特定のバージョンを指定することができます。 例えば、v1.7.3 のバージョンを実行するには以下を実行します:

minikube start --kubernetes-version v1.7.3

Kubernetesの設定

Minikubeにはユーザーが任意の値でKubenetesコンポーネントを設定することを可能にする “configurator” 機能があります。 この機能を使うには、minikube start コマンドに --extra-config フラグを使うことができます。

このフラグは繰り返されるので、複数のオプションを設定するためにいくつかの異なる値を使って何度も渡すことができます。

このフラグは component.key=value 形式の文字列を取ります。component は下記のリストの文字列の1つです。 keyは設定構造体上の値で、 value は設定する値です。

各コンポーネントのKubernetes componentconfigs のドキュメントを調べることで有効なキーを見つけることができます。 サポートされている各設定のドキュメントは次のとおりです:

Kubeletの MaxPods 設定を5に変更するには、このフラグを渡します: --extra-config=kubelet.MaxPods=5

この機能はネストした構造体もサポートします。スケジューラーの LeaderElection.LeaderElecttrue に設定するには、このフラグを渡します: --extra-config=scheduler.LeaderElection.LeaderElect=true

apiserverAuthorizationModeRABC に設定するには、このフラグを使います: --extra-config=apiserver.authorization-mode=RBAC.

クラスターの停止

minikube stop コマンドを使ってクラスターを停止することができます。 このコマンドはMinikube仮想マシンをシャットダウンしますが、すべてのクラスターの状態とデータを保存します。 クラスターを再起動すると、以前の状態に復元されます。

クラスターの削除

minikube delete コマンドを使ってクラスターを削除することができます。 このコマンドはMinikube仮想マシンをシャットダウンして削除します。データや状態は保存されません。

クラスターに触れてみよう

Kubectl

minikube start コマンドは “minikube” というkubectl contextを作成します。 このコンテキストはMinikubeクラスターと通信するための設定が含まれています。

Minikubeはこのコンテキストを自動的にデフォルトに設定しますが、将来的に設定を切り戻す場合には次のコマンドを実行してください:

kubectl config use-context minikube,

もしくは各コマンドにコンテキストを次のように渡します: kubectl get pods --context=minikube

ダッシュボード

Kubernetes Dashboardにアクセスするには、Minikubeを起動してアドレスを取得した後、シェルでこのコマンドを実行してください:

minikube dashboard

サービス

ノードポート経由で公開されているサービスにアクセスするには、Minikubeを起動してアドレスを取得した後、シェルでこのコマンドを実行してください:

minikube service [-n NAMESPACE] [--url] NAME

ネットワーク

MinikubeのVMは minikube ipコマンドで取得できるホストオンリーIPアドレスを介してホストシステムに公開されます。 NodePort上では、 NodePort タイプのどのサービスもそのIPアドレスを介してアクセスできます。

サービスのNodePortを決定するには、kubectl コマンドを次のように使用します:

kubectl get service $SERVICE --output='jsonpath="{.spec.ports[0].nodePort}"'

永続化ボリューム

Minikubeは hostPath タイプのPersistentVolumesをサポートします。 このPersistentVolumesはMinikubeのVM内のディレクトリーにマッピングされます。

MinikubeのVMはtmpfsで起動するため、ほとんどのディレクトリーは再起動しても持続しません (minikube stop)。 しかし、Minikubeは以下のホストディレクトリーに保存されているファイルを保持するように設定されています:

以下は /data ディレクトリのデータを永続化するPersistentVolumeの設定例です:

apiVersion: v1
kind: PersistentVolume
metadata:
  name: pv0001
spec:
  accessModes:
    - ReadWriteOnce
  capacity:
    storage: 5Gi
  hostPath:
    path: /data/pv0001/

ホストフォルダーのマウント

一部のドライバーはVM内にホストフォルダーをマウントするため、VMとホストの間でファイルを簡単に共有できます。これらは現時点では設定可能ではなく、使用しているドライバーとOSによって異なります。

備考: ホストフォルダーの共有はKVMドライバーにはまだ実装されていません。
Driver OS HostFolder VM
VirtualBox Linux /home /hosthome
VirtualBox macOS /Users /Users
VirtualBox Windows C://Users /c/Users
VMware Fusion macOS /Users /Users
Xhyve macOS /Users /Users

プライベートコンテナレジストリ

プライベートコンテナレジストリにアクセスするには、このページの手順に従ってください。

ImagePullSecrets を使用することをおすすめしますが、MinikubeのVM内でアクセス設定したい場合には、/home/docker ディレクトリに .dockercfg を置くか、または /home/docker/.docker ディレクトリに config.json を置いてください。

アドオン

カスタムアドオンを正しく起動または再起動させるには、 Minikubeで起動したいアドオンを ~/.minikube/addons ディレクトリに置きます。 このフォルダ内のアドオンはMinikubeのVMに移動され、Minikubeが起動または再起動されるたびにアドオンが起動されます。

HTTPプロキシ経由のMinikube利用

MinikubeはKubernetesとDockerデーモンを含む仮想マシンを作成します。 KubernetesがDockerを使用してコンテナをスケジュールしようとする際、Dockerデーモンはコンテナをプルするために外部ネットワークを必要とする場合があります。

HTTPプロキシーを通している場合には、プロキシー設定をDockerに提供する必要があります。 これを行うには、minikube start に必要な環境変数をフラグとして渡します。

例:

minikube start --docker-env http_proxy=http://$YOURPROXY:PORT \
               --docker-env https_proxy=https://$YOURPROXY:PORT

仮想マシンのアドレスが192.168.99.100の場合、プロキシーの設定により kubectl が直接アクセスできない可能性があります。 このIPアドレスのプロキシー設定を迂回するには、以下のようにno_proxy設定を変更する必要があります。

export no_proxy=$no_proxy,$(minikube ip)

既知の問題

設計

MinikubeはVMのプロビジョニングにlibmachineを使用し、kubeadmをKubernetesクラスターのプロビジョニングに使用します。

Minikubeの詳細については、proposalを参照してください。

追加リンク集

コミュニティ

コントリビューションや質問、コメントは歓迎・奨励されています! Minikubeの開発者はSlackの#minikubeチャンネルにいます(Slackへの招待状はこちら)。kubernetes-dev Google Groupsメーリングリストもあります。メーリングリストに投稿する際は件名の最初に “minikube: “ をつけてください。

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